スタッフ
あいさつ
こんにちは。「ミチのムコウ」プロジェクトリーダーの吉良佳晃です。
2022 年ここ丹波篠山市古市地区から未来に向けたプロジェクトが動き出します。
次の言葉はアフリカの諺と言われ、プロジェクトやチームで物事を進めるときによく引用される言葉です。
早く行きたいなら、一人で行け。遠くに行きたいなら、一緒に行け。
(If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.
私は集落の高齢化、農の担い手不足を痛感し、29 歳で化学メーカーを退職して U ターン就農しました。 実家は、父が専業農家に転じてから 20 年、飲食店を中心に少しずつ販路を築いてきた小さな野菜農家で す。その事業を承継し、まだまだ小さく不安定な農園経営を確かなものにしていこうと再スタートを切 りました。そこで野菜つくり以外のさまざまな課題にぶつかります。
野菜をシカに食べられ、田んぼをイノシシに掘り起こされボコボコにされる獣害の拡大。 暗く生い茂り、ナラ枯れをはじめとするかつての里山の荒廃。 担い手不足に伴う草刈り作業の増大。 そして何よりこれからの農業や農村に希望を持てない地域の方々の気持ちの落ち込み。
その解決に向け、狩猟に取り組み、自伐型林業に取り組み、草刈りチームつくりに取り組み、次世代育 成に取り組みと範囲を広げてきました。しかし、若手農家は少なく、一人の力には限界があり、壁にぶ ち当たり、肝心の野菜つくりの時間がとれなくなり、と本末転倒の状況に苦しんでいました。
そんな中、新しい里山つくりに一緒に取り組む今のメンバーと出会い、新たな一歩を踏み出そうとして います。
複雑な現代社会、農村や里山環境においても課題は複雑に絡まりあっています。
SDGs が広く叫ばれていますが、理念だけでなく肌感覚として実感できる場はそう多くはありません。
田んぼで合唱するカエル、梅雨の前に乱舞する蛍、カブトムシの森、鳥のさえずり、魚が泳ぐ川なども 農業・農村の営みとつながっています。地域の仕事や経済活動は、実は持続可能なエコシステムを形成 する土台ではないだろうか。その気づきをカタチにしようと試行錯誤の真っ只中にいます。
最後に、冒頭に引用した諺を少しアレンジして、皆さんへのメッセージとさせていただきます。
早く行きたいなら、一人で行け。遠くに行きたいなら、一緒に行きましょう。そして、楽しみながら、未来をより良いものに変えましょう。
(If you want to go fast, go alone. If you want to go far, let’s go together.
And while having fun, let’s change the future for the better.)
農村や里山の課題は日常生活とは遠い話で、直接は関係ないと感じられるかもしれません。 が、キャンプとはまた違って、自然の中に入りこみ、汗して活動に取り組み、人間と自然とのつながり を感じ、地域の歴史文化を学びながら次世代に伝えていく。なんだかワクワクしてきませんか? さあ、一緒に「ミチのムコウ」に歩みだしましょう!
「ミチのムコウ」プロジェクトリーダー
吉良佳晃